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Webサイト公開後の迷惑営業電話対策|小規模事業者向け

1. 迷惑な営業電話に悩まされていませんか?

「新しくサイトを作った途端、営業電話が増えた…」 「どこで電話番号を知ったのか分からない業者からの勧誘が多い」

小規模事業者がウェブサイトを公開すると、迷惑な営業電話が急増するケースが多々あります。 特に「SEO対策しませんか?」「Web広告出しませんか?」といった営業が頻繁にかかってくることがあります。

実際に、私が支援した事業者の方でも、サイトを公開して1週間で5件以上の営業電話がかかってきたというケースがありました。 最初は「問い合わせかも?」と出ていたものの、内容はすべて営業で、「対応する時間がもったいない」と悩んでいる方は意外と多いものです。

ここでは、実際に試して効果があった営業電話対策を紹介します。

2. Webサイト公開後に営業電話が増える理由

そもそもどうやって電話番号を入手されたのか気になる事が多いかと思います。主な入手経路をまとめますと下記のようになります。

公開されたサイト情報がスクレイピングされる
企業情報収集ツールや業者がサイトの連絡先を自動取得し、営業リストに登録。

スクレイピングとは

Webサイトやデータベースから特定の情報を抽出して収集することです。
例えば新規公開されたサイトの電話番号等を自動で回収するシステム等をイメージしていただくと分かりやすいかと思います。

WHOIS情報からドメイン登録者の情報が取得される
独自ドメインを取得すると、WHOIS情報に連絡先が掲載される場合がある。

WHOISとは

ドメインの登録者などに関する情報を、誰でも参照できるサービスです。
簡単に言うと、誰がこのドメインを管理していて住所や連絡先はどこかが記載されています。
基本的に非公開にはできないですが、ドメイン管理会社が代理でドメイン管理会社名義で公開するサービスを行っているケースが多いです。

業界のリストをもとに無差別に営業が行われる
SEO、広告、システム開発業者がランダムに営業をかける。

基本的には、サイトをスクレイピングされたと考えていいでしょう。もちろん、事業者に聞いてもいいですが、「サイトを検索して当たった」と回答されるはずです。スクレイピングは違法行為ではありませんが、最近はサイトポリシーに禁止事項として入れておくことが多くなっているため、そういった回答が増えているように思います。

3. 迷惑営業電話の具体的な対策

① 公式サイトに電話番号を公開しない or 対策を取る

対策方法:
・お問い合わせフォームのみを設置し、直接の電話番号を掲載しない。
・「営業目的のご連絡はご遠慮ください」と明記する。
・必要に応じて、営業専用フォームを作成し、営業はそちらへ誘導する。
・「電話での営業は受け付けておりません」とサイトに明記する。

実際の支援事例: ある小規模な書店では、電話番号をサイトに掲載していたことで、営業電話に悩まされていました。 そこで、お問い合わせフォームに切り替え、「電話での営業は受け付けません」と記載したところ、営業電話が減少それでもかけてくる事業者には、着信拒否で対応することで2週間程度で営業電話がほぼゼロに!

支援したポイント
・問い合わせフォームの設計と迷惑メールフィルターの導入。
・営業専用フォームの作成。
・着信拒否設定のサポート。

この事例では、電話番号を非公開にはしたくないとのことでしたので、完全にゼロにするのではなく、減らしたり断りやすくすることを目的としていました。女性オーナーでは、断りにくいというのも課題としてありましたので、「フォームから連絡は受け付ける」として、そのお願いも聞いてくれない企業さんのお話は聞く必要もないですよねと、連絡方法でそもそもお取引を受け付けない場合分けを行う形としました。


② WHOIS情報の非公開設定を行う

対策方法:
・ドメイン取得時に「WHOIS情報公開代行サービス」を利用する。
・既に公開されている場合、ドメイン管理会社で設定を変更する。

実際の支援事例 ある建築業のクライアントから、 「営業電話だけでなく、スパムメールが届くようになった」と相談を受けました。ドメイン取得時にWHOIS情報を公開設定にしてしまっていたことが原因でした。
すぐにドメイン管理会社の設定を変更し、WHOIS代行を適用したところ、営業電話対とスパムメールが半減!

支援したポイント
・ドメイン管理サービスの選定と設定方法のレクチャー。
・ドメイン情報を非公開への修正対応。

この事例では、一度公開されてしまっているのですぐには変化はありませんでしたが、徐々に減ってきたとのことです。基本的には、公開にする意味は少ないですので、代行設定にしてしまう事をお勧めします。


③ 迷惑電話をブロックする

対策方法:
電話回線の設定で「非通知拒否」「特定番号ブロック」を有効化。
クラウド電話サービス(Google Voice, 050plusなど)を利用し、直接の番号を隠す。
営業電話が多い番号をブラックリスト化するアプリを導入。

実際の支援事例 喫茶店のオーナーが、営業電話のせいで本来の予約受付業務に支障をきたしていました。 そこで、050番号を使ったクラウド電話を導入し、非通知拒否設定を適用
結果として、営業電話が半減し、本来の業務に集中できるようになったと喜ばれました。

支援したポイント
迷惑電話フィルタリングツールの導入支援。
クラウド電話の活用方法を提案し、問い合わせ業務を効率化。

この事例では、非通知拒否機能の付いた電話機への切り替えやフィルタリング装置等も提案いたしましたが、電話番号ごと変えたいとのことでしたのでクラウド電話で対策を実施することになりました。


4. 迷惑営業電話をスムーズに断るための文例

営業電話を減らすだけでなく、受けてしまった場合にどう対処するかも重要です。興味がない場合何度もかけてこられるのは迷惑ですよね。
営業側が一番困るのは、法律を盾にされる事や、時間を浪費させられることになります。
営業電話にもルールがあります。基本的には、特定商取引法第四節 電話勧誘販売を確認していただくと良いのですが、
簡単にかみ砕きますと
・営業電話なら、どこの会社の誰がどんな商品について勧誘の目的で電話していると勧誘前に伝えること
・一度断られたら再度勧誘してはいけない
こんな事が定められています。
かかってきている営業電話はこれらを満たしていますか?
多くの場合は、紹介で勧誘ではない等を言い訳としますが、グレーな事をしているのは自覚をしています。
その為、通報されるとまずいのはわかっていますので、下記のような断り方をされると逆にブラックリストに登録してもらうことが期待できます。
下記に特定商取引法を分かりやすく解説してくれている「特定商取引法ガイド」より引用いたします。

1.事業者の氏名等の明示(法第16条)

事業者は、電話勧誘販売をしようとするときは、勧誘に先立って、消費者に対して以下の事項を告げなければなりません。

  • 事業者の氏名(名称)
  • 勧誘を行う者の氏名
  • 販売しようとする商品(権利、役務)の種類
  • 契約の締結について勧誘する目的である旨    (参考:特定商取引法ガイド

2.再勧誘の禁止(法第17条)

特定商取引法は、電話勧誘販売に係る契約等を締結しない意思を表示した者に対する勧誘の継続や再勧誘を禁止しています。                    (参考:特定商取引法ガイド

特定商取引法・個人情報保護法を根拠に営業電話を断る

1. 特定商取引法に基づく再勧誘の禁止

法的根拠: 特定商取引法第17条では、消費者が「いらない」と明確に伝えた後に再度勧誘することを禁止しています。

(契約を締結しない旨の意思を表示した者に対する勧誘の禁止)第17条
販売業者又は役務提供事業者は、電話勧誘販売に係る売買契約又は役務提供契約を締結しない旨の意思を表示した者に対し、当該売買契約又は当該役務提供契約の締結について勧誘をしてはならない。 (出典:消費者庁

文例:
「申し訳ありませんが、現在そのようなサービスには興味がありません。今後、当社への営業連絡はご遠慮ください。」
「再度の営業は法律で禁止されているはずですので、お控えください。」

2. 個人情報保護法に基づく営業リスト削除請求

法的根拠: 個人情報保護法第35条では、本人が自身の個人データの利用停止や削除を請求できることが定められています。

【本人の権利又は正当な利益が害されるおそれがあるとして利用停止等又は第三者提供の停止が認められると考えられる事例】
事例1)ダイレクトメールの送付を受けた本人が、送付の停止を求める意思を表示したにもかかわらず、個人情報取扱事業者がダイレクトメールを繰り返し送付していることから、本人が利用停止等を請求する場合
事例2)電話勧誘を受けた本人が、電話勧誘の停止を求める意思を表示したにもかかわらず、個人情報取扱事業者が本人に対する電話勧誘を繰り返し行っていることから、本人が利用停止等を請求する場合
(出典:個人情報保護委員会「個人情報の保護に関する法律についてのガイドライン(通則編)」)

文例:
「当社の情報を御社の営業リストから削除してください。対応いただけない場合は、個人情報保護委員会に報告いたします。」
「個人情報保護法に基づき、御社のリストから削除をお願いいたします。」


5. よくある質問(FAQ)

Q. 営業電話を完全に止めることは可能?
A. 完全にゼロにはできませんが、サイトの電話番号非公開・WHOIS情報の保護・着信フィルタリングを行うことで、大幅に減少させることが可能です。

Q. Webサイトを公開すると営業電話が増える理由は?
A. スクレイピングやWHOIS情報の公開によって、業者のリストに登録されるためです。

Q. 迷惑営業電話を防ぐ最も簡単な方法は?
A. サイトに直接電話番号を掲載しないことが最も効果的です。営業用の専用フォームを設け、そちらに誘導するのも一つの手です。

6. まとめ

今日からできること
・公式サイトに電話番号を掲載している場合、問い合わせフォームに変更。
・営業専用フォームを作成し、営業電話をブロック。
・迷惑電話フィルターを導入し、不要な連絡を減らす。

私が支援できること
・問い合わせフォームの導入・最適化
・ドメイン情報の非公開設定サポート
・クラウド電話等の導入支援

迷惑な営業電話に時間を取られず、事業運営に集中できる環境を整えましょう!
お困り事がございましたら、お気軽にご連絡ください。

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